突然の新聞報道でこの計画を知り、驚きでした。
地元説明会に続き、防衛省から議会へ理解を求める説明会が開かれ、その後、私は議会の特別委員会委員として、国内に唯一ある青森県つがる市のレーダー基地へ視察に行きました。おりしも緊迫した北朝鮮情勢の中での視察でしたが、危惧していた通り出発後の視察不許可の通知に、普段は殆ど感じることのない日本周辺での緊張感が伺えました。幸い、視察が許可されましたが、我々が平和な生活を送っているこの環境を、あらためて考える瞬間でもありました。
 
この視察を終えて私は、次のように考えています。
 
レーダー基地での関心事は発電機の騒音でしたが、元建設業者としての感覚としては、予想の範囲内でした。ただ、経ケ岬分屯基地は車力基地のように平地ではなく、周辺に高低差があるので、より防音効果を高めるのであれば、防音壁上部をより高く、さらに発電機側に曲げた形状にすれば、効果は高まります。 ここは要望すべき点の一つだと思います。
 

それぞれの視察先での懇談会では、電磁波に対する健康面への不安や、米国人への治安や風紀に対する不安な面、地域との関わりと交流、情報交換や事件事故へ対応する連絡会など、私たちの質問に対しては、何ら問題はない、と答えられ、私としては不安は感じませんでした。
 

米軍人、軍属等の居住施設においては、民間の施設への入居がなされており、問題ないとされています。ただ、つがる市では、施設の建設等に関しては市外の業者が建設した、と報告されております。京丹後市地域の経済効果を期待するのであれば、市内業者への発注が大切だと思います。
 

基地、調整、再編の三つの交付金の内、再編交付金については平成十九年に法制化されています。仮にこれを京丹後市に当てはめると平成二十八年までとなるので、あと三年間です。(ただし、法律の解釈によっては五年間ともとれますが)つがる市と連携し、さらに交付年数が延長されるよう国に対して要望していくことも考えるべきではないでしょうか。
 
今回のXバンドレーダー配備計画においては、日本の防衛と、さらに極東アジアの平和と安全の維持のために、日本国民として、京丹後市民として少しでも寄与する、との思いで私は、受け入れるべきだと考えています。
 

とはいえ、配備計画においては、経ケ岬分屯基地周辺に四万平方メートル(約一二、〇〇〇坪)もの用地が必要だとしています。用地の確保においては地権者の理解と協力が不可欠です。先祖代々からの土地にはそれなりの思いがあり、この決断は重いことだと思います。また、地元、宇川地区、とりわけ尾和、袖志の方々が一番の当事者です。当然のことですが、なお一層、丁寧な説明と、対応が求められることは事は言うまでもありません。
                                             以上が、金田琮仁の考えです。